学校教育において歴史事象を多面的・多角的に考察するためには,文系・理系といった区分にとらわれず,数学的な知識や科学技術等への理解を土台とした教科横断的な視点での学習が必要となります。本研究では日本史の史資料を用いながら,実体験を通して考え,深い学びにつなげていく実践力の育成を念頭に,社会科・数学科・技術科の各教科の特性を活用した新たな教科横断型の教育実践を探究します。
具体的には,日本史上の重要な画期である近世の検地を研究対象としています。検地に必要な数学的知識と技術水準の有り様を検討するため,教育学部社会選修の学生を中心に検地を試行すると共に,学校での授業実践を見据え,検地用具の製作可能性についても探究しています。近世当時の道具や方法に則して検地を実施し,文献の詳細な分析,用具の改良等を進め,「検地」の教材化を目的とした学生の主体的な問題解決活動をより一層具体化させる計画です。